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携帯料金は安くなる? 楽天の携帯事業参入に政府が優遇検討

楽天が2019年10月に自前の設備を整備し、携帯通信事業者として参入するのを機に政府が楽天の長期契約による端末の値引販売を容認する方向性で検討しているようです。

 

今まで長期契約を利用者と結ぶかわりにスマートフォン端末の値引販売を行うのが主流の販売方法でした。

しかし、それでは通信料と端末代金の区別がつかず、料金が不透明なこと、またそれが通信料金が諸外国と比べて高止まりしているとの世論から、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手携帯通信事業者3社に通信料金と端末代金を分離した料金体系にするよう法律の改正が行われようとしています。

 

なぜ、そのような世論の中にあって政府は新規参入の楽天を優遇しようとしているのでしょうか?

 

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楽天を優遇しようとする政府の目的と格安スマホ業者の苦悩

政府の目的は携帯通信業界の中で競争環境をつくり、携帯通話・通信料を下げることにあります。

 

現在、自社設備で携帯通信事業を行っているのは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのいわゆる3大キャリアです。

しかし、3社だけでは料金の値下げ競争が起こりにくく、仮にその中の1社が値下げを仕掛けたとしても、他の2社が追随するだけで、それ以上の値下げに結びつきにくい状況です。

 

格安スマホ事業者が料金値下げに健闘していますが、格安スマホ事業者は3大キャリアから電波・設備を借りて行っているので、3大キャリアの卸価格以上の料金競争は起こりません。

サービスの面でも、格安スマホ事業者には3大キャリアにはある通話定額制がないなど、サービスの面でも3大キャリアに遅れをとっています。

 

つまり、格安スマホ業者は自前の設備がない分3大キャリアとの競争で不利になるといえるでしょう。

 

消費者は料金値下げを期待している

価格comの調査によれば格安スマホ業者のシェアは2017年に12.0%であったのが、25.6%に上昇しています(※1)。

また、それに比例して3大キャリアのシェアは減少傾向です。

 

つまり、消費者は現在の携帯料金を高いと感じており、少しでも携帯利用料を下げたいという思いがあるようです。

 

このように、携帯利用料金の値下げは現在の消費者の要望に沿った流れだといえます。

 

※1 出典:価格com 格安SIM・大手携帯キャリア 満足度ランキング2019
https://kakaku.com/mobile_data/sim/research/

 

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楽天の新規参入によって市場はどうなるか?

以上のような状況で、楽天が自前の設備で携帯通信事業に参入することになります。

 

楽天に期待されるのは携帯利用料の価格下落でしょう。

 

楽天もシェアを拡大していかなければ携帯電話事業を維持できないので、値下げを仕掛けて顧客獲得に動くはずです。

 

しかし、楽天には携帯通信事業者として通信設備の充実も求められます。

 

設備投資と販促費用が重なり、後発の楽天はどうしても不利な状況です。

 

ですので、私は楽天に販売条件を優遇するよりも通信設備にかかる投資費用の支援をするほうが4社とも公平な競争環境になるのではないかと考えています。

 

スマートフォンの販売条件を優遇しても、携帯電話のサービスレベルの求められるものはやはりつながりやすさと通話品質です。

 

いくら端末を安く購入できたとしても、つながらなければ、品質が悪ければ顧客離れを招きます。

 

これは携帯電話の根幹にかかわる部分ですので、その充実がなければ楽天の携帯電話事業は成り立っていかないと思われます。

 

まとめ

以上、楽天の新規参入について考察してきましたが、いずれにしても政府の支援は必要だと思います。

 

ただ、端末代を値引きする従来のやり方で優遇するのは3大キャリアとの競争上、不公平のように感じます。

 

それよりは設備投資の財政支援等で楽天を3大キャリアと同じ土俵に上げることが競争環境の創造と消費者利益につながるのではないでしょうか。

 

参考文献:日本経済新聞 2019年3月21日

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