スマートフォンiPhoneを発売するアップルが次世代高速通信規格「5G」戦略で苦戦しているようです。
先日スペインで2月25日から28日に開かれた世界最大の携帯関連見本市「MWC19バルセロナ」でも例年出展しているアップルの姿はなかったとのこと。
スマートフォンの雄、アップルがここまで5G戦略に苦慮する理由はどこにあるのでしょうか?
そもそも「5G」って何?
「5G」とは次世代の高速無線通信規格で、現在の4Gに代わる新しい通信規格です。
いわゆる4K、8Kと言われる高精細画像の送受信や、通信高速化の利点を利用し、ネットワークに蓄積した情報を統合して鉄道・高速道路混雑緩和のナビゲートをするなど、私たちの生活に密着した通信技術と言えます。
また、IoTで家電をはじめ私たちの身の回りのものがインターネットとつながる時代、高速通信規格は世の中の大量のデータをやり取りするために必要不可欠なものです。
つまり、5Gの発売に乗り遅れると言うことは、それだけ時代の流れに遅れると言うことです。
なぜ、アップルは5G規格のiPhone戦略が遅れているのか?
実はアップルが5G戦略を打ち出せていないのはアメリカ・クアルコム社との特許訴訟による同社との関係悪化が原因です。
現在5Gの通信半導体の供給はクアルコム社が大勢を占めています。
つまり、5G通信半導体寡占状態にあるクアルコム社との関係悪化は必然と5G規格iPhoneの発売が遅れることにつながるのです。
5G半導体の代替供給先は?
もちろん、アップルも5G通信半導体の代替供給先を探していることでしょう。
候補の一つであるアメリカ・インテル社は5G半導体の開発が遅れていて、もし、アップルがインテル社から5G通信半導体の供給を受けるとすれば2020年までは5G規格のiPhoneを出せないだろうと言われています。
ライバル各社は5G端末を2019年春から発売!
この状況の中で、クアルコム社から5G通信半導体の供給を受けられる韓国・サムスン電子は2019年4~5月に5G対応スマートフォンを発売するようです。
もし、アップルが前述のとおり1年遅れの2020年に5G対応iPhoneを発売できたとしても、現在の激しい社会構造の変革の中で大きく遅れを取るのは必至であり、アップルの経営に少なからずダメージを負うことになるのではないかと思います。
特に事業構造をハードに依存しているアップルにとってiPhoneの売上減少は死活問題ともいえ、アップルは5G対応iPhoneの発売に向けて早急な対策を打つ必要に迫られていると言えるでしょう。
アップルの選択肢
アップルがこの状況を打開するためには、クアルコム社との和解がベストだと思います。
iPhoneは世の中のあり方を変えた素晴らしい情報端末です。
その先頭を走るアップルはやはりその業界をリードしていく責任もあるのではないかと思います。
iPhoneユーザーの利便性を損なわないためにも是非、最善の選択がされることをiPhoneユーザーである私も期待しています。
参考文献:日本経済新聞 2019年3月3日