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上昇し続けた銀行カードローンの残高ついに減少! 将来の展望はいかに?

日本銀行の統計によれば、2018年の市中の銀行が融資するカードローンの残高が減少に転じたようです。

 

昨今の超低金利政策で、企業への融資に利幅がなくなった銀行が収益源の一つとして各行競って個人向け融資としてカードローンの残高を拡大させてきました。

 

なぜ、銀行カードローン残高が減少に転じたのでしょうか?

 

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銀行カードローンとは?

銀行カードローンとは、銀行が個人に融資できる総額をあらかじめ審査の上決定し、その枠内で各個人(消費者)が自由に借入・返済のできる融資制度です。

図示すると以下のようになります。

 

 

たとえば、私がお金を借りに銀行にカードローンを申し込みにいったとしましょう(1)

 

銀行は私の申し込み内容を審査します(2)

審査内容は返済能力があるかどうかです。

 

銀行はお金を貸して収益を得ることができ、なおかつ貸したお金が返ってくるかどうかが重要ですから当然ですね。

 

申込書に記入した勤務先から収入の安定性や年収、個人信用情報などを元に返済能力を確認し、お金を貸しても問題ない人だと判断したときは申し込みをした銀行の基準で私に貸してもよい金額(貸付枠)が設定されます。

 

そして、銀行は、私に銀行からお金を借りたり返済したりするときに私の借入・返済だとわかるよう私専用のカードを発行してくれます(3)

私は銀行から専用カードを預かり、ATMでこのカードを使ってお金を引き出せば、銀行から借入したことになり(4)、このカードでATMへ入金すれば返済になる(5)のです。

 

このような仕組みから、「カードローン」と呼ばれています。

 

銀行カードローンの残高が増えた理由

そもそも、カードローンはアコムやアイフルといったいわゆる消費者金融業者が担っていました

 

そのころ銀行は企業向け融資で収益が十分見込めるビジネスモデル。

企業向け融資に比べれば圧倒的に収益の少ない個人向け融資を積極的に行う必要がありませんでした。

 

ところが、消費者金融業者が返済能力以上の貸付を行ったり、いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれる高金利で貸付していたことが問題となって消費者金融業者の市場が縮小し、業績の悪化した消費者金融業者は大手都市銀行等の傘下に入り、経営支援を受けることになります。

 

銀行の経営支援により消費者金融業者の問題が沈静化してからほどなく、2013年から始まった日本銀行の低金利政策により銀行の企業向け融資の収益は悪化しはじめます

 

そのころから、各銀行は新たな収益源を確保するため、年利7%~15%と言った高い金利で貸出できる個人向けカードローンに傾注しはじめました

 

ところが銀行は個人向け融資をあまり行ってこなかったため、個人向けの貸付ノウハウがありません。

そこで傘下にした消費者金融業者の個人向け貸付ノウハウを活用し、個人向け融資を拡大させていったのです。

 

デフレから抜け出せない日本経済の底上げのため、日本銀行は更に低金利政策を拡大し、市場金利は更に下がり続けます。

 

2016年には長期金利がマイナスになる、つまり日本銀行に市中の銀行が預金すると逆に金利を日本銀行に支払しなければならなくなると言う金利の逆転現象が発生しました。

 

それに比例して更に個人向け銀行カードローン残高は増え続け、2013年には3.5兆円だった市場は2017年に6兆円と倍近い規模にまで拡大しました。

 

これが、銀行カードローンの残高が増えていった経緯です。

 

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カードローン残高減少の原因は?

このように残高が増え続けた銀行カードローンですが、2018年に減少に転じた大きな理由の一つが増え続けるカードローン残高に過剰融資の批判を受けはじめたため、銀行業界がカードローンの審査基準を厳しくしはじめたことに起因します。

 

各個人のカードローン残高が増えると、金利負担が増えていきます。

つまり、どの人もお金を借りたくても返済の充て(原資)がないので、借りられない状況になっているのです。

 

これ以上の安易な貸付は個人の破綻を招くことになりかねません。

もし、個人の破綻が拡大すれば銀行も利息収入はおろか、貸したお金が返ってこないという痛手を負います。

 

そこで、銀行業界は安易に貸さないという方向に舵を切りはじめたのです。

 

銀行カードローンの将来的展望

このように今まで残高の「量」が増え続けてきましたが、これからは貸付内容の「質」への転換が図られていくと思われます

 

つまり、銀行カードローンの市場が成熟しはじめ、銀行も収益を追って無理な貸出をすることなく、またカードローンを利用する消費者も借りたお金が返せなくなるほど闇雲に借りようとする人は排除され、銀行の収益と消費者の家計のバランスが取れたところで今後も銀行カードローンの利用が安定していくのではないかと考えられます。

 

サラリーマンは毎月ほぼ決まった収入(給与)の中でしかやりくり出来ません。

その限られた収入の中で時には不測の出費、人生の節目における出費と予定外の出費を迫られることがあると思います。

 

そういった場合に銀行カードローンがあればやはり便利なもの。

安心して予定外の支出を工面できます。

 

今後も計画的に利用することで、上手に使いこなしていけば便利なこと間違いありません。

皆さんも是非、様々なライフスタイルの中で、銀行カードローンを選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?

 

参考文献:日本経済新聞 2018年3月18日

 

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